

2025年7月3日
6月23日。「沖縄慰霊の日」。1945年6月23日に沖縄において、日本軍が組織的戦闘が終えた日に起因する▼糸満市にある平和祈念公園では、6月23日に沖縄戦戦没者を追悼する式典が行われる。同公園にある「平和の礎(いしじ)」には、国籍や軍人・軍属、民間人を問わず沖縄戦で亡くなった24万人を超える犠牲者の名が刻まれている。その悲惨な教訓を正しく継承することを願い、30年前に設置された▼自民党・西田議員は、自身の沖縄戦に関する歴史書き換え発言に対していまだ訂正せず「事実を語った」と居直る始末。だがしかしこういった歴史修正主義者が発信する、歴史認識を信じてしまう市民も少なからずいるのも確か。80年という月日とSNSを巧みに利用し、我々を罠にはめてゆく。真実は誰が語るか。礎に刻まれた24万超の犠牲者は、生き残った私たちをじっと見つめている▼6月23日。私の愛息・礎太朗(そうたろう)の生まれた日でもある。名の由来は「平和の礎」から。恒久平和の使者として生きてほしいという願いを込めて。彼がいつか平和について考えるとき、「平和の礎」にその手で触れてほしいと思っている。その現場で温度や質感を感じれば、おのずと真実は見えるものだから。(熟)
【建築ニュース1270号(2025年7月15日付)】